ノラ・ジョーンズの音楽性の新たな地平を開いた一枚
2002年『Come Away With Me』で衝撃的なデビューを飾った、ノラ・ジョーンズの5作目の最新アルバム。オープニング曲「Chasing Pirates」では、浮遊感のあるエレクトロピアノとドラムのビートが刻まれる。前作まではピアノを弾きながら、愁いをたたえたジャズヴォーカルで“歌い上げる”曲が多かったのが一変し、「80年代的ポップミュージック」を披露している。
本作ではプロデューサーの変更が、ノラサウンドにとって大きな転機となったようで、これまでのジャズスタイルだけではなく、ソウル、カントリー、ロックなど多様な音が同居している。
60年代ロックのように骨太で、重厚なサウンドからディープ・パープルの「Black Night」さえ彷彿とさせる「It's Gonna Be」は特に注目。
曲ごとのつながりも実に自然。浮遊感と恍惚に包まれるはず。理屈抜きにおススメの一枚。