独自のセレクトと編集が◎ 曲目リストがないのが×
1963年から2007年までのロックの名盤500枚を、時系列に整然と網羅。
以前は『ロック--ベスト・アルバム・セレクション』(渋谷陽一著)がスタンダード本だったといえるが、今後は同書が定本になるはず◎
いわゆるロックだけではなく、テクノやソウル、ヒップホップ、ワールドミュージックの名盤レビューも収録。ヒップホップでいえばカニエ・ウエストの『レイト・レジストレーション』などを紹介している。
中でも山崎一郎氏のエミネム『ザ・マーシャル・マザーズLP』のレビューは特に絶品◎——エミネムの「本物の才能」に対し、日本のファンの寛容ではない点に舌鋒鋭く、批評している。
カタログ的に名盤を紹介するのではなく、「ロッキングオン・フィルター」ともいえる高い専門性(セレクトセンス)と批評性を以て、500枚を"斬って”いる。
ただ、全作品に収録曲のリストが掲載されていないのが、不親切にも思える点が△